「はれのひ」問題を考える

  考えてみませんか?
「はれのひ」問題をきっかけに

振り袖の販売・貸出会社「はれのひ」(横浜市中区)の突然の営業停止によって、成人の日のすべてを台無しにされた事態が発生しました。成人式に晴れ着を着付け、ヘアースタイルを創作し、化粧をするなどの仕事は、美容室における美容師の大切な仕事でした。いまも美容業の主要な仕事として継続している美容室は多くあります。私たちは、美容師が長年にわたって担ってきた大切な仕事だけに、今回の問題を「対岸の火事」と見るわけにはいきません。

そこで、「美容の価値を考える会」として次のようなことを考えています。

一、今回の事態を受けて、成人の日に晴れ着を着られなかった被害者にさまざまな支援の輪が広がっています。「美容の価値を考える会」のメンバーである美容専門メディアは、そういった支援の動きとともに被害に遭われた方の声、被害実態などを誌面でご紹介していきます。
また、来年や2年先まで契約をしたという被害も伝えられています。支援などの記事が多く掲載されれば、今後、着付けやヘアメイク、あるいはそれ以外にも何らかの支援に力を貸してくださる美容師や美容業界関係者が出るかもしれません。二次被害の懸念も出ております。そうならないためにも、支援活動や二次被害などの情報がありましたら、当会の事務局にメール(アドレスinfo.bikachi@gmail.com)でお伝えください。各美容専門メディアが情報を共有し、各社の判断で取材などを行っていきます。

一、成人式に装いを新たにすることは、大人への第一歩を祝う人生の大きなイベントです。それをビジネス化し、仕事とすることは美容業でもやってきました。しかし、いまやビジネスの細分・多様化によって、さまざまな業態が出現し、現在のような状況になっています。
人々にとっての美容は、人生における自己実現やアイデンティティに直結するものだけに、お客さまの気持ちや考えなど生活のバックグラウンドをどう察知するかが問われてきます。お客さまに寄り添うことで「美容の価値」を最大化してきたのが、美容の仕事に携わる者の使命だったと思います。そういう美容の原点を忘れずに仕事をしていく姿勢が大切になっていることを改めて考え、私たちはさらに「美容の価値」を深めるとともに、広めるために活動を続けていきます。

2018年2月5日

非営利型一般社団法人「美容の価値を考える会」